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年齢とともに変わりゆく、自分のWILL。ウェルビーイングに生き、働いていくために考えていること

「営業力強化×採用力強化の宮大工」として、フリーランスで活躍するヨシケンこと吉田健志さん。彼が楽しそうに仕事と向き合う姿を、スカイベイビーズの多くのメンバーが「ヨシケンさんは自然体だ」「ヨシケンさんはウェルビーイングだ」と評します。これまでのキャリアや仕事への意識、そして40代に入ってから訪れた心境の変化を、ヨシケンさんに聞きました。

Takeshi Yoshida

大手採用広告企業の求人広告代理店に新卒入社後、営業として延べ300社以上の新卒・中途・アルバイト/パート採用の支援等に携わる。その後採用コンサルティング企業にて様々な企業の採用・育成支援・制度設計を担当し独立。2020年よりスカイベイビーズに参加。趣味はジョギング、セーリング、おいしいものを食べにいくこと。

がむしゃらに営業のスキルを磨いた20代

――営業ひとすじでキャリアを積み重ねてこられたヨシケンさん。まずは、これまでのお仕事遍歴を伺いたいです。

吉田

最初に勤めたのはリクルートの採用広告代理店でした。就活のとき、キムタク(木村拓哉)が広告マンを演じているドラマを観て、「僕も広告業界に入りたい」と思ったのがきっかけ。単なる憧れで、詳しい仕事の中身やこれからのことなんて何も考えていませんでした(笑)。

ただ、人と接することや企画を考えて提案することは好きだったし、商学部でマーケティングも学んでいたから、営業職がいいだろうなとは思っていました。

入社して驚いたのは、社会人がめちゃくちゃ公平なことです。学歴がなくて就活は苦労したけれど、社会人になってしまえばスタートラインはみな同じ。努力さえすれば結果が出せるし、結果が出せたら誰でもちゃんと評価してもらえたんです。

それがうれしくて、とにかくがむしゃらに頑張りました。マズローの欲求階層説でいうところの3段階目「社会的欲求(帰属欲求)」を満たせるような気がしたんでしょうね。僕がそのころ打ち立てた新規受注獲得件数の記録は、そのあと7年ほど破られなかったと聞いています。

――社会人のスタートダッシュで立派に成果を出し、社会的欲求を満たせたわけですね。次の転機はいつでしたか?

吉田

入社して3年が経ったころ、ひとつの大きな学びがありました。版元から出向してきた社員さんに「採用広告の力で雇用を創出し、求職者と企業のベストマッチングを重ねていけば、日本を元気にできる」と教わったんです。

それからは自分がどう成果を出すかだけでなく、クライアント企業が成長していくために必要な人材を考え抜き、その採用につながる手法を幅広く提案するようにしました。これまでとは違う角度から仕事と向き合うことで、これまでとは違うやりがいを感じることができるようになったんですね。

でも、クライアントに寄り添って最適な採用手法を考えるためには、これまで以上のインプットも必要です。採用ノウハウやビジネスマーケティングのフレームワークを学び直したり、バブルを迎えていたIT業界に貢献できるよう専門用語や業界特有のビジネスプロセスを勉強したり……。ただの「営業マン」から「クライアントのパートナー」になるために、そうした知識・スキルや経営視点が必要でした。

そんな新たなスタンスで営業の仕事に取り組むなかで、それなりの成果を出すことができました。採用予算わずか5万円ほどの時代から採用領域パートナーとして伴走をはじめた飲食チェーンが上場し、破竹の勢いで店舗を増やして、年間の採用予算が数億円ほどの大きな取引先に成長したりして。

――営業スタンスの進化とともに、ものすごい成果が出せている……! 

吉田

プレイヤーとして営業する以外にもチームのマネジメントや経営企画、人事などを経験させてもらい、気づけば30歳になっていました。そして、僕はこのまま社内で経営者を目指すのか、もっと顧客の内側に入り込んで貢献できるようになりたいのか……と、これからのキャリアについて考えるようになりました。

後者の挑戦をするために場所を移ろうと考えたとき、声をかけてくれたのが、同じ業界で僕よりも華々しい営業成績を残していた先輩(心友)でした。それで、その先輩が率いる企業(以下、J社)に入社を決めたんです。

ヨットと人生を重ねて、生き急がなくなった

――採用コンサルティング・ブランディングを手がけるJ社にジョインした、ヨシケンさんの30代。J社で働いた10年は、どんな10年でしたか?

吉田

前職で採用ひとすじの「I字型」にキャリアを伸ばしたとしたら、J社では採用戦略立案から実行推進支援・育成支援・人事制度設計などの組織力強化のための支援を通じて、キャリアを「T字型」に発展させることができました。

J社はクライアントのお話を伺いながら、必要なサービスをオーダーメイドしていくようなコンサルティング手法だったんです。だからこそ、ゼロからアウトプットを考えたり、いかにマネタイズしたりといった筋肉が鍛えられました。

また、途中からは役員にも就任したため、これまで以上に当事者意識を持って組織をつくり、事業を成長させていくプロセスを体感できたのもいい経験だったと感じています。まさに、J社はいまの僕の礎となっています。

――それほどよい経験ができたJ社を2020年に卒業し、屋号「ヨシケン」として独立をされたのには、どんな経緯があったのでしょうか。

吉田

これからのキャリアについて考えるきっかけがありまして。今度の選択肢は、このまま事業責任者として貢献していくか、あるいはまた新たな挑戦をしてみようかな、とすごく思い悩みましたね。J社は当然ながら、すごく好きな会社でしたので。

結果、「一回きりの人生なんだから、まだやったことのない独立にチャレンジしてみてもいいんじゃないか」という気持ちが芽生えるようになりました。

そんな時にスカイベイビーズの代表でもある安井さんが「ヨシケンはただ転職するのはもうあかんで。このまま残るか、そうじゃなかったら次は独立や」と背中を押してくれたのも大きかったです。

安井さんは僕が独立したあと、真っ先にスカイベイビーズのセールスに声をかけてくれました。ヨシケンのファーストクライアントでもありました(笑)。

――独立後は、どんな仕事をされているのでしょうか。

吉田

業務内容自体は営業力×採用力強化の支援をしています。

ヨシケン個人のミッション「企業の石つぶてとなり、大いなる成長に貢献する」やバリュー「一人で、百人力となる」を意識し、フリーランスとしてこれまでとは違うお客様との関わり方も模索しているところです。

――フリーランスというのが意外ですよね。これまで組織のなかでバリバリ仕事をされてきたヨシケンさんだから、独立といったら自分の会社を持ち、大きな飛躍を目指してもいいのではと思いました。

吉田

たしかに、周りの同世代の友人のように、サービス開発をして事業を生み出し、メンバーを増やして組織にしていこう……なんて考えたこともありました。でも、ふと「それだけが人生じゃないよな」と思ったんです。

いまや組織に属していなくても、フリーランスとして充分にやりがいのある仕事はできる。じゃあ、顧客貢献のことだけを考えて個人で勝負してみるのもいいんじゃないか、って。

なので、最近はストレッチした売上目標なども立てていないんです。「前年度〇%アップ」を掲げてがむしゃらに進み続けるより、背伸びせずに無理のない範囲の目標をベースにしつつ、フレキシブルな挑戦をしていきたいと思っています。

そんなふうに考えるようになったのは、ここ2年ほどの変化なんですが。

――その心境の変化には、なにかきっかけがあったんですか?

吉田

一番は時の流れだと思います。30歳で独立していたら絶対に法人化していたし、フルスロットルでやっていました。でも、独立したのが45歳だから、ワークライフバランスも大事だなと考えるようになっていて。

40歳くらいから趣味でヨットをはじめたのも、きっかけのひとつかもしれません。真っ黒に日焼けしたお客様が「ヨットをやってるんだ」と楽しそうに言うもんだから「僕も連れてってくださいよ!」と呼んでもらったんです。

チャラチャラしたレジャーなのかと思いきや(笑)、ヨットって本当に気持ちいいんですよ。自然とたわむれながら風だけで走る、その爽快感に感動して……気づいたら、がっつり沼にハマっていました。

――聞いているだけで、めちゃくちゃよさそうです。

吉田

ヨットと人生ってなんだか似ているんですよね。ヨットは向かい風じゃないと走らないし、まっすぐには進まないんです。目的地にたどりつくまで、ジグザグと回り道をしていく。

人生で何かしらのWILLを追いかけるときも、追い風ばかりじゃないし、一直線で行けるとは限らないじゃないですか。でも、自身のWILLをしっかりと持ち、その実現に向けて自ら舵を握り、風を掴んで少しずつ前進していければ、必ずや自身のWILLを実現できると思います。

振り返ればこれまでのキャリアも、自ら風を掴んでここまでやってきました。そういう人生もいいなぁと感じて、生き急がなくなったんだと思います。

40代後半からジョインしたスカイベイビーズの影響も大きいですね。スカイには、20代の僕みたいにガツガツ生きることを選んでこなかった人たちがたくさんいるんですよ。

「そういう生き方もあるんだ!」「たしかに、それもいいな」と思える出会いが多くて、価値観の幅がぐっと広がりました。

自分のWILLと、うまく向き合う

――価値観が変わり、働き方が変わってきて、仕事のやりがいも変わりましたか?

吉田

どうだろう……。お客様に寄り添って貢献することのやりがいは変わっていません。でも「ヨシケン」という主語で価値を提供していきたい、という新しい生きがいができたような気はします。マズローでいえば5段階目「自己実現欲求」ですね。

――自分の変化を見つめながら進んでゆくヨシケンさん、とっても自然体だと思いました。最後に、ヨシケンさんにとっての「自然体」「ウェルビーイング」を聞いてみたいです。

吉田

ウェルビーイングって、正直あんまりつかみきれてないんだけど……(笑)。こと仕事でいうとしたら、自分のWILLと向き合っていくのはひとつ大事だなと思っています。

自分のやりたいこと(WILL)とできること(CAN)、やるべきこと(MUST)を結び付けて考えるキャリアフレームがあるんですけど、やりたいことが大きすぎるとできることが少ないし、やるべきことばかり多すぎても楽しくないし、バランスが大事なのかなと。

だから、WILL-CAN-MUSTのバランスを保つことと、年齢やフェーズに見合ったWILLを立てることは、ウェルビーイングな働き方につながってくると思いますね。

プライベートでいえば、やりたいことをやるに尽きる。フリーランスになってからは、好きなだけヨットをやってますから(笑)。

――人生、楽しそうです。若いときの勢いが失われていくようで変化が怖い……という人もいると思いますが、ヨシケンさんは、いまの生き急がない自分は好きですか?

吉田

好きです。いまのバランスが心地いいと思っています。20代のときはがむしゃらに基礎を鍛える時代で、J社で過ごした30代は新しい知識やスキル、ノウハウを身につけていった時代。

そしていまは、ヨシケンという旗を掲げてオリジナルの価値を生み出していく、守破離の「離」を迎えています。とにかく沈(ヨット用語で「転覆」)だけはしないように、頑張りたいですね!

最後に、私の好きな言葉のひとつに「Love the life you live. Live the life you love.(自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。)」という言葉があります。

人生の最後を迎えるときに、「ヨシケンの人生って最高じゃん!」と思えるように、これからも自分の舵(WILL)を持ち、自ら風を掴みながらたまには寄り道しながら自分らしく、愛せる人生を歩んでいきたいと思います。

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