ウェルビーイングが怪しいと感じる理由【ウェルビーイング経営に取り組む企業の見解】
最近よく聞かれるようになった「ウェルビーイング」。
ウェルビーイングとは、well(良い・元気・満足など)とbeing(状態)とを合わせた言葉で、「肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされていて、幸福な状態」のこと。色々な場所・場面で使われるようになってきました。
本来良い意味の言葉のはずが、しかし「ウェルビーイングって言葉は怪しい」と感じる人がいるのも確かです。
本記事ではそんなウェルビーイングが「怪しい」と感じてしまう理由は何なのかを、自社でもウェルビーイング経営に積極的に取り組み、企業のウェルビーイング経営やブランディング支援も行っている当社・スカイベイビーズが監修し考察します。
ウェルビーイングが怪しいと感じる理由
私たちは「ウェルビーイングが怪しい」と感じてしまう理由は、大きく下記の3つではないかと考えています。
- 言葉自体の定義が曖昧で主観性が高い
- 実情と差があるウェルビーイング経営への反発
- スピリチュアルや宗教と混同している
すべてに共通するのは「ウェルビーイングという言葉をよく知らないから」という点です。順にもう少し詳しく書いていきます。
1. 言葉自体の定義が曖昧で主観性が高い
ウェルビーイングはそれ自体の定義がかなり曖昧です。
先にも書いたようにwell(良い・元気・満足など)とbeing(状態)とを合わせた言葉・概念なので、人によって大きな差があります。
たとえばある人は心身ともに健康な状態のことをウェルビーイングと捉える一方で、地域社会との繋がりに幸福感を覚え、それをウェルビーイングな状態と感じるひともいるでしょう。つまり、ウェルビーイングとはとても曖昧で主観的な概念なのです。
このように人によってまったく捉え方が違うので、自分と異なる価値観を持つ人を遠ざけてしまうことがあるように、他者の異なるウェルビーイングを指して「怪しい」と感じてしまうこともあると考えられます。
2. 実情と差があるウェルビーイング経営への反発
近年、ウェルビーイングは経営の面にも進出しており、「ウェルビーイング経営」を掲げる企業が増えてきました。
https://www.skybabies.jp/media/what-is-wellbeing-management/
しかし中には企業のブランディングとしてただ掲げているだけ、言っているだけということもあれば、従業員のウェルビーイング向上のためというより生産性向上やコスト削減を目的としたウェルビーイング経営になっており批判されるケースもあります。
こうした、掲げていること・言っていることと、実情に差があることから「ウェルビーイング経営って言ってるものの実際は疑わしい」という意味での「怪しい」もありそうです。
3. スピリチュアルや宗教と混同している
ウェルビーイングは、「肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされていて、幸福な状態」のことですが、この心身ともに健康で幸福という点にフォーカスした概念であるためか、どこかスピリチュアルだったり、宗教的なイメージを持たれてしまいがちです。
このような科学的な根拠に基づいていない概念は、怪しさを感じさせる要因のひとつとなりがちで、「怪しい」と思われてしまうのではないでしょうか。
本当に怪しい?ウェルビーイング経営に取り組む企業が感じること
上記を踏まえて、ウェルビーイングという言葉・概念は本当に怪しいのでしょうか?
ウェルビーイング経営に取り組む私たちスカイベイビーズの見解をお話します。
「ウェルビーイングは怪しくない」と私たちが考える理由
私たちはウェルビーイングという言葉自体は怪しいとは思いません。
まず、ウェルビーイングという言葉自体はそれ以上でもそれ以下でもないただの概念です。加えて、日本の一部のみで広まっているわけではなく、全世界的に広まっています。
※ウェルビーイングという言葉は1946年にWHO(世界保健機関)が設立された際に考案された憲章ですでに言及されていて、実は歴史のある言葉・概念です。
そのため、ウェルビーイングという言葉自体に怪しさはなく、ウェルビーイングという言葉を使って怪しげなビジネスをしようとしている人たちが居たり、個々が持つ先入観による怪しさがあるだけではないか?と考えています。
長く経済成長が求められる時代が続き、それが一定水準を超え始めたので「人としてどう生きるのが健康なのか?」に目が向けられはじめたのが、昨今の日本です。
「ウェルビーイングで生きていますか?」という言葉がちらほら聞かれはじめたのがその証拠であり、今後時間とともにウェルビーイングという言葉・概念はより一般的なものに変化していくのではないでしょうか。
身近にある「ウェルビーイング」の実例
上記のように「ウェルビーイングは怪しくない、とても身近なものである」というのが私たちの考えです。実際にスカイベイビーズでは下記のようにメンバーが社内・外に関わらずそれぞれ個人のウェルビーイングを実現しています。
【個人ウェルビーイングの実例】
- 3ヶ月の福島プチ移住が人生と仕事のウェルビーイングに変化をもたらした
- 新しい自分との出会いが日々続いていく、ウェルビーイングな仕事の環境
- 自分の興味を伸ばすことが「ウェルビーイング」に小さな畑で好きな野菜を育てる暮らし
また、企業における「ウェルビーイング経営」では下記のように日々課題を感じながら取り組んでいます。こちらもぜひご一読ください。
【ウェルビーイング経営に関する事例】
ウェルビーイングについて知っておいてほしいこと
最後に「ウェルビーイング」に関して知っておいてほしいことをまとめました。
より詳しくは下記記事にまとめていますので合わせてお読みください。
※関連記事:ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイングとは?
先にも説明したように、ウェルビーイングとは「肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされていて、幸福な状態」のこと。これは世界保健機関(WHO)憲章における定義です。
ウェルビーイングが注目されている背景
そのウェルビーイングが注目されている背景は主に以下5つです。
- 人口の減少と高齢化による人材不足
- 技術革新とそれに伴う働き方改革
- 幸福度への注目度アップ
- SDGsの認知
- 新型コロナウイルスの影響
より詳しくは関連記事「ウェルビーイング経営とは?」をお読みください。
ウェルビーイングが怪しいのかどうか、自分の目で確かめよう
この記事で解説してきたように、ウェルビーイングが怪しいと感じる理由は3つありますが、どれも「ウェルビーイングという言葉をよく知らないから」ではないかと思います。
ウェルビーイング経営に取り組み、メンバーそれぞれがウェルビーイングを実現するために自然に行動している私たちにとっては、ウェルビーイングは決して怪しいものではなくとても身近なものだと考えています。
まずはウェルビーイングという言葉、概念がどんなものなのかを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
なお、ウェルビーイングに気軽に触れてみるには、まずは自分のウェルビーイング度合いがどのくらいなのか?を診断してみるのもおすすめです。当社がウェルビーイング研究の第一人者・慶応義塾大学の前野隆司教授と共同開発した「ウェルビーイング診断」で、いまの自分の状態を気軽に診断してみてください。登録不要、無料で使えます。