Journal

企業の自然体を引き出すようなクリエイティブを〜スカイベイビーズディレクター対談〜

スカイベイビーズのクリエイティブは、企業理念である「自然体で、生きる。」を元に自身も、クライアントも自然体で仕事にあたることが成功の秘訣といえます。長くディレクターとして数多くの案件に携わってきた安井さんと、近年ディレクターとして活動しはじめた島戸さんの2人は、キャリアや育ってきた環境は違いますが、現在は同じ理念を元に働く仲間。どのような思いや立ち位置で仕事に向かい合っているのか、それぞれの立場から語ってもらいました。

Masato Yasui

クリエイティブディレクター・代表取締役。クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。2016年より山梨との二拠点生活をスタート。

Ayane Shimado

ディレクター。新卒で航空会社に入社し、国際線のグランドスタッフとして働いたのち、web業界へ転身。フリーのエンジニア兼ディレクターとして独立する。2023年よりスカイベイビーズに参加。趣味は、ラーメンの食べ歩き。

その企業の“自然体”を明らかにしていくことで、案件ができていく

ーー安井さんはディレクターとして長く活動されていますが、どのような考え方でやってこられて、またスカイベイビーズらしいディレクションとはどういうものなのかを伺いたいです。

安井

ディレクターというと、制作者、編集者みたいなイメージでしょうか。クリエイティブな作業に携わって、依頼されたものを仕上げていく。もちろんそれは仕事の重要な部分です。

でも、私は以前からディレクターとしての仕事に対する価値観の違う環境で働いてきました。クリエイティブなものの追求はもちろん大前提なんですが、ディレクターというより、世の中のプロデューサーであろうという意識が強い人たちが集まっていたんです。

その影響もあって、スカイベイビーズでも、私は同じような考えで動いています。

島戸

私はまったく畑違いの世界からクリエイティブの世界に入ってディレクターになり、今は安井さんと一緒に動いています。まだここでの社歴が浅いのですが、その会社と、スカイベイビーズではディレクションではこういう違いがある、という部分はありますか?

安井

大きく違うわけではないかな。両者とも「つくるために仕事をしていない」ということですね。言われたままやらない、というのが大前提。

例えば、「こういう原稿を書いてください」という依頼があったとして、普通は言われたとおりに原稿を書いて納品すればその仕事は終わるし、依頼通りです。

でも、その仕事の過程ではその会社の話をいろいろと聞くことになります。そうすると、未来に向け、その会社が何を考えて動いているのか、こうしたいならこう動いた方がいいのではないか、みたいなアイデアとか、進んでいく方向性が見えてきます。そこからいろんな案件が発生して、派生して広がっていくという感じです。

島戸

案件ありきではなく、相手の理解を深めるうちに、それが案件になっていくという形ですね。

安井

だから依頼も最初から「こういうものを作ってください」というよりは、「販促に困っていて、どうすればいいか考えてもらえませんか」とか、「社員のみんなのロイヤルティを上げたいので、いいアイデアはないですか」という感じで相談を持ちかけられることが多いですね。

そうすると「じゃあ、これとこれ、こんなことをやったらいいと思います」という提案をして、そこから制作するものが決まっていきます。僕自身も、そういう流れを導くように動いてもいます。

島戸

そうすると、スカイベイビーズらしいディレクターの動き方は、やはり企業理念にもある「自然体」みたいな部分を相手からも引き出し、案件に反映させるとか、創っていくというところになるのでしょうか。

安井

そうですね。今は紹介でお話をいただくことが多いので、よりそうした方向のディレクションが増えていると思います。

企業理念が「自然体で、生きる。」なので、クライアント企業についても、その企業の自然体を明らかにしたいですし、それこそがスカイベイビーズらしいディレクションといえます。

企業の事業活動って、売り上げが上がればそれで成立するということは結構ありますよね。でも、働いている人たちや組織全体ができるだけ自然体でいられて、幸せで、かつ、事業も成功する形を模索したいんです。

我々が外からできることは限られていて、小さなことかもしれませんが、その欠片を作る仕事をしたい。働き手のウェルビーイングを意識した仕事をしたいと思ってやっています。

島戸

いかにもスカイベイビーズらしいですよね。ディレクターといっても、会社によって業務範囲や仕事がぜんぜん違うと思います。

私が個人で動いていたときは、クライアントが作りたいものが最初から明確に決まっているものが大多数でした。クライアントがテキストを用意して、取材もオンライン主体で……という感じで。スカイベイビーズはそれとは真逆の考えで動いているからこそ、クライアントの自然体を引き出すということが可能になるのだと思います。

最初こちらにジョインしたとき、自然体とはどういうことなんだろう? と掴みきれていないところもあったんです。でも、自分が大事にしていたのは「自分らしくありたい」というところで、言葉が違うだけで追いかけているものは同じなんだなとわかってきました。

それこそ、クライアントが、その企業らしくいられるようなクリエイティブをするということが、スカイベイビーズのクリエイティブなんだなと今は理解しています。

トップインタビューを行うことで、企業の強みや魅力が見えてくる

ーーその自然体、企業らしさを引き出すというのは具体的にはどういう手法で行われているんですか?

安井

採用や企業ブランディングといった内容なら、トップインタビューは大事にします。最初に社長にインタビューを行い、そこから現場の取材に入り、トップパフォーマーの方のインタビューというふうに流れていくと理想的ですね。

やはりトップの方のお話から会社の強みや魅力も見えてくるし、それをどうクリエイティブに落とし込んでいくか、全体の構想も見えてきます。

島戸

ブランディングといったことだと、トップへの取材から得られるヒントは多いですね。トップの言葉や想いを制作物全体にまで行き渡らせていく、というのはスカイベイビーズに入ってからとくに重要だなと意識しています。

また、提供された素材、テキストならそのテキストをそのままを使うのではなく、全部取材をして書き起こしていくのも私には新鮮でした。

安井

クライアントは文章のプロではないですから、そこは私たちが表現すべきものだと思います。もちろんいただいた素材を活かすこともあるし、クリエイティブ感度の高い担当者がいる場合は、やってほしいことを正直に打ち返してやり取りすることもあります。

でも基本的にはプロとしてコンセプトを作り、そこに沿ったものを提示するべきだと思って取材もしますし、テキストもすべてこちらで制作します。

ーークライアントだけではなく、デザイナーやライター、カメラマンといった制作スタッフ側に対する自然体の引き出し方はありますか?

安井

自分の場合は長年一緒にやっているスタッフが多いので、互いに良いクリエイティブを目指して暗黙の理解で進んでいるところはあります。ただ、クライアントの意図を一番掴んでいるのは自分なので、ぜんぜん違うな、というときは方向性を正しますが、コンセプトに沿ったものが仕上がっていれば、指摘することは少ないですね。

皆が自分を信頼して、良かれと思ってやってくれているのはわかりますから。だから少し違うかも? というくらいだと、一旦は尊重して、クライアントに一度提案してみることもあります。

島戸

私は現状だと制作を具体的に進めていく立場を担っているので、コミュニケーションは密にすることを意識しています。やり取りでもわかりやすさとか、ちょっと絵文字を入れてみたりとか、仕事をやりやすい雰囲気にしていくように。そこで意思疎通が深まって、いい形で仕上がってくればいいなと。

安井

別の観点でいうと、スタッフたちの働き方も守ってあげたいんですよ。徹夜をしてやってもらっても、いいものにはならないと思っているし、頑張った結果、身体を壊したりしても誰も幸せではないですよね。

スケジュールなど、調整できるところはなんとかこちらで調整して、幸せな職場環境を作ってあげるのも、自然体という意味では大事なことだと思っています。

クライアントも制作側も、互いに自然体な状態でいることで良いサイクルが生まれていく

ーー自然体をうまく表現できたディレクションの一例を教えていただけますか?また、長くお付き合いを続ける秘訣も伺いたいです。

安井

うまくいっていて、長くお付き合いが続いているクライアントというのは、月次でミーティングを行っているところでしょうか。特にすぐやる仕事がなくても、常に伴走しているというといいのかな。

ミーティングを重ねることで、クライアントがどういう状況にあって、どんな仕事をしていて、今抱えている課題はなにかといったことがキャッチアップできます。そこから提案が広がることが多いですね。

ではなぜそういうミーティングを開催する関係になれているかというと、その前段階で、眼の前の話だけをしていないというところだと思います。

最初の方にも述べましたが、例えば「社員ロイヤルティを上げるためのインナーブランディングはどうすればいいですか?」という話があったとしたら、その一つとして「じゃあ社内報を作りましょう」となり、それが実現したら先方が「次は何をやればいいでしょう」といったふうに話をしてくれる。

そんなふうに、我々に対して次の動きを期待してくれるクライアントとは長くお付き合いが続きますね。

ーーそういうのがデイレクターというか、プロデューサー的である部分ですね。

安井

長く付き合うほど、その企業らしさを引き出していけます。単発で終わる仕事ももちろんあるんですが、長く続いているところは、“らしさ”を引き出せているだけではなく、無理なく実行できているというクライアントですね。

自然体でいる、自然体を引き出しているからこそ、必要なことを必要なだけできている、という状態です。自然体じゃないと無駄に費用をかけさせてしまったり、50でいいのに100のサービスをしてしまったり、という状況になります。

島戸

適切な形のサービスができることが、自然体を引き出せているという状態だということですね。確かに一つの企業でいろんな仕事をさせていただいていますよね。社内報やコーポレートサイト、採用のシステムを組んだり、入社式の支援をさせてもらっていたりとか。

安井

そうなんです。伴走できている企業の場合、僕が何の仕事をしている人なのかという定義が、先方にもない気がします。こちらも何でもサポートしたいという気持ちでやっているので、何を求められてもその都度考えて、人脈を使って提案したり紹介したりしています。「VTuberをやりたい」と言われたときはさすがに驚きましたけど(笑)。それもきちんと形にしました。

島戸

ディレクターという肩書だけ聞くと、一般的にはものを作ったりしているだけのイメージかもしれませんが、スカイベイビーズはそこに限らないんですよね。

安井

最近は、WEBのメディアが激増した影響で記事の進行管理を行う人をディレクターと呼んだりもします。でも今の時代、それこそ組織運営とか、会社経営とか、地域のコミュニティづくりとか、そういうことを形にすることも、「編集力」を発揮していく仕事だという考えでやっています。

現代の技術の発展やいろんな物事の関わりを加味すると、考慮しないといけないことが莫大に増えていて、考えないといけないことが多すぎる時代にもなっています。

島戸

考えなければいけない範囲がすごく広い仕事だと思います。私個人としては安井さんと一緒に動きつつ、視野を広げていこうとしている段階ではあります。

そんな状況でも、スカイベイビーズはフラット組織なので、経験値の高いデザイナーさんやエンジニアの皆が、社歴の浅い私の意見に耳を傾けてくれる状況があります。

相手をリスペクトしつつ、そこを最大限に活用して、安井さんがおっしゃるようなことを見られる力を身につけていきたいです。

企業理念を追い続け、自然体を表現し続ける

ーーそれぞれのこの先の目標は?

島戸

当たり前のことを当たり前にやっていくことを大事にしたいです。例えば、居心地が良ければ誰もがストレスなく仕事ができますよね。まずはその環境づくりです。

ディレクターは、クリエイティブの価値を高めることも落とすこともできる存在だと思うんです。だから価値を最大化できるディレクターになりたいし、そのためにコミュニケーションを大事に仕事をしていきたいです。

そして、私の名前でも依頼をいただけるディレクターにならないといけないと思っています。

安井

企業理念を追い続けたいと思っているので、自然体で生きる人を増やしたいというのが最終ゴールです。でもディレクターとしては島戸さんを含め、これから入ってくる人たちに自分の名前で仕事ができるような支援をしたいですね。

各ディレクターがお客様から信頼されるような状況を作るのが、ディレクターとしての夢でしょうか。島戸さんには僕のお客さんをとっていくぐらいの力を発揮できるようになってもらいたいし、期待しています。

そして、ものづくりだけをしていると、早々に飽きてしまうし、成長がないと思うんです。自分の幅を広げ、いろんな企業の仕事を知ることが自分のためにもなり、仕事をする喜びも得られると思います。

島戸

ありがたいお言葉です。心に刻んで頑張ります。

ーーサイト制作やブランディングを考えている企業に、制作会社選びついてのアドバイスをするとしたら?

島戸

発注側のニーズによって答えは変わるのではないでしょうか。とにかく安く、早く作って欲しいというニーズもあれば、作り方も何もわからないので、先導して欲しいというところもあると思います。

安井

うちでいうと後者ですね。どうしたらいいのかわからないところから、一緒に考えて一緒に作っていきましょう、基本的にはうちが先導します、というのがスカイベイビーズです。

そういうやり方を求めるなら、ぜひうちを選んでいただきたいですね。そうでないのなら、費用やスピード、きれいなデザインとか、ニーズに合わせて選んでいただくといいと思います。

でもクリエイティブって最終的に出来上がったものだけ見ると、特に見た目など、一見大きな差はないんです。でも、ニーズに合っていない会社を選ぶと、その裏側の、制作過程ですごくストレスが溜まる状況が発生すると思います。

だから見た目や費用感だけではなく、制作会社のスタンスを知って、フィーリングが合うかどうかというところを見極めると、良いクリエイティブができるはずです。

ーーそれがスカイベイビーズの場合は、自然体を基本にした制作体制や伴走であって、お互いWin-Winのクリエイティブにつながるというわけですね。ディレクター目線での貴重なお話、ありがとうございました。

貴社の魅力を引き出す
ブランディングなら、
私たちにお任せください!